1. 城のデータ
[所在地] 埼玉県所沢市城
[築城年] 平安時代末期か
[築城者] 大石氏、北条氏
[遺 構] 曲輪、土塁、空堀
[別 称] 本郷城
[形 状] 平山城
[登城年] 2013年9月21日
(※トップ写真:滝の城・本丸跡にたつ城山神社社殿)
2. 城の歴史
城の起源は、1180年頃に源頼朝の挙兵に応じて現地の土豪が築城したものと言われるが、詳細は不明である。本格的な築城は戦国時代、関東管領上杉氏の家臣で、武蔵国守護代・大石氏によるものである。14代・定久の時、1546年に主君の上杉憲政が河越夜戦において北条氏康に惨敗すると、定久は氏康に降り、氏康次男の氏照を養子として家督を譲った。
それ以降、滝の城は北条氏照の持城となり、下野出兵の際の陣揃の地になるなど、補給・中継の拠点として活用されたが、1590年の小田原落城後に滝の城も廃城となった。
3. 城の見どころ
仕事の用事で埼玉県の新座市に行った折に地図を見ていると、「滝の城址公園」というのが目に入った。これはもしかして中世の城跡かな?と検索してみると、やはり戦国期の城跡だったので、仕事の用事を済ませた後、急遽登城することにした。なかなかこういった戦国期の城跡は全国各地にゴマンとあるので、網羅するのは現実的に難しいが、何かのついでに城跡に足を延ばせる機会があれば、これに越したことはないと思う。
事前情報がほとんどない状態で訪れたが、空堀、土塁など、城跡の保存状態はなかなか良い。まずは城の立地であるが、東南に柳瀬川、北に東川が流れ、この両川に挟まれた小高い丘の上に滝の城がある。本丸は25mほどの険しい崖上にあり、本丸を囲うように二の丸、三の丸、物見櫓跡が配置されている。この本丸から二の丸、三の丸にかけての土塁、空堀が実に良く残っている。特に城山神社入口から石段を登っていくところの左手に見えるV字状に切られた大堀切は城中でも必見の遺構だ。
(下写真:大堀切)
崖上の本丸は城山神社となっていて、社殿や鳥居などが建っている。また、滝の城址、本丸跡碑などもあり、ここが城の中心であったことがわかる。本丸からは広大な関東平野を遠望することができる。戦国時代、北条氏照の本城であった、滝山城や八王子城と北関東を結ぶ重要拠点であったことがよくわかるだろう。
(下写真:滝の城本丸跡石碑)
二の丸西方には二重堀が現存している。これは二重に掘られた北条氏特有の防御施設である。さらに、三の丸方面にはこれも北条氏独特の障子堀も発掘されており、北条氏による改修がなされていたことが裏付けられたと言えるだろう。
(下写真:二重堀跡)
(下写真:三の丸跡)
4. 城のポイント
①北条氏による改修を受けた中継拠点の城
②本丸、二の丸、三の丸に残る土塁、空堀跡
③二の丸西方にある北条氏特有の二重堀跡
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