福原氏館

1. 城のデータ

[所在地] 山口県宇部市中尾

[築城年] 1625年

[築城者] 福原元俊

[遺 構] 移築門、石垣、井戸

[別 称] なし

[形 状] 館

[登城年] 2015年4月30日

(※トップ写真:福原氏館・萩福原氏屋敷移築正門)


2. 城の歴史

福原氏館は福原元俊が1625年、宇部領8千石の領主として入部した際に築かれた館であり、明治に至る250年間政務が行われてきた。実際福原氏は毛利氏永代家老の要職にあったため、普段は萩に駐在しており、領地の実務は家老が行ったという。

宇部領主となった歴代の福原氏は、真締川の開掘、鵜の島開作、常磐池築造による灌漑用水の確保など地域の開発拡大を図り、幕末には1万2000石にも達したといわれる。現在、福原氏館跡は福原史跡公園として整備されている。


3. 城の見どころ

福原氏館は宇部市の南部、真締川の南東岸に位置する。館は周囲より一段高い位置に築かれており、統治の拠点として館を築くには格好の地と思われる。正門脇には高さこそ低いが、当時のものといわれる石垣が残っている。

(下写真:正門脇の石垣)

現地の案内板によれば、館内には当時平屋建二棟と土蔵一棟があったという。面積の割に建物が少ない気がしたが、福原氏の歴代当主は萩に常駐ということだったので、それ程大規模な屋敷としては築かれなかったのだろうと想像する。現在は祠、井戸、巨木などが残っているにすぎない。それでも、屋敷跡全体は良く保存されており、貴重な遺構である。

(下写真:屋敷跡)

昭和48~50年度に公園整備が行われ、土塀、石段が作られた。また、萩の福原氏屋敷正門を縮小して移築したものが、史跡公園入口に建っている。それほど大きなものでなく、後方の控え柱を斜めに取り付けるなど、毛利氏永代家老という要職にあった福原氏の門としては、実に簡略なつくりのように思える。屋根については、上方に湾曲したむくり屋根となっている。

(下写真:館内から見た移築正門)


4. 城のポイント

①毛利氏永代家老・福原氏の館 ⇒福原氏当主は萩に常駐であった

②史跡公園入口に移築された萩の福原氏屋敷正門

③正門脇に残る石垣

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